2012.01.26 Thursday | ガラスの仮面44〜47巻
 ←昔懐かしいバラのイラストを加工したものです。

読むまいと思っていたんですが、ネット上を駆け巡る噂。えええ? マヤちゃんが? 真澄さんが?? …てことで、ついに手を出してしまいました。
えーと、ずっと前ですが、一時「ガラぱろ」の二次世界にお世話になっていた時がありました。
あれはちょうど42巻発売の頃です。
「ガラスの仮面」。子供の頃ハマりました。母親もなぜか好きでした(笑)。
42巻以前で止まっちゃって、その間私は社会人になったり結婚したりで遠ざかっていたんですけど。42巻が発売された時は有閑マダムだったので(笑)、つい手を伸ばして阿鼻叫喚の世界へ。
ずっとコミックス派だったので、知らなかったんですよね。いろいろ原作者の先生が描いては描き直したりなさってたとか。
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2011.06.24 Friday | 乙嫁語り
 乙嫁語り(おとよめがたり) 森 薫 著 エンターブレイン



 タイトルの「乙嫁」は、可愛いお嫁さんの意味だそうで、舞台は19世紀、中央アジアのコーサカス地方。
 森さんの作品は前作「エマ」から読ませていただいてますが、モノクロなのに暖かな色彩を感じさせる、繊細な描き込みが好きで、お絵かき好きな人間としては絵を眺めているだけでも大好きです。
 今作は、一読者が言うのも僭越ですが、以前よりも洗練されて、パースもきっちりしていて、安定感があって勉強になります〜。

 さて、物語は、12歳のカルルクが結婚するシーンから始まるのですが、相手の花嫁さんは8歳年上のアミルさんでした。
 花婿の年が年なのですが、かわいいカップルですw。
 この二人を軸にしばらく、当時の、当地方の人々の文化風習が描かれますが、面白くてすぐにひきこまれました。1巻でアミルさんが馬上から矢を射るシーンがでてきますが、これがかっこいいんだな〜ww
 当時の女性たちは狩りをしたり(というのはアミルさんだけかもw)、炊事はもちろん、裁縫やその他もろもろの家事、山羊の放牧にと、やることがたくさんで。
 大家族で暮らすのが当たり前のようだから(カルルクの家は祖父母、両親、姉夫婦とその子どもたちと暮らしてます)割と人手はあったようで、さほど苦はなかったかもですが。
 
 最新巻では、カルルク一家に滞在していたイギリス人旅行家のスミスさんと、タラスというまた違う氏族の女性との出会いが描かれているのだけども、このエピソードにはつい色々考えちゃいました。
 今もそういう風潮は少しはあると思うけど、女性にとってはいかによい結婚をするかが人生の決めてになっちゃうのね。
 特に舞台の国では、農耕が盛んでもなく放牧が主な生活を支える方法で、水も芳醇にあるわけではないという地域なので、男性も財産がないと結婚できないようで…。

 当たり前のことだけど、結婚して子をもうけて、家族で暮らす。それがこの地方の人々の目的であり人生なのですな。結婚相手は親が決める。子はそれに従わなければならない。一昔前の日本もそうでしたが。
 まあ、親と子の関係が良好ならば、それで問題はないのかも。
 
 カルルクとアミルさん、それにひょっとしたらまだスミスさんとタラスさんの関係も何か進展があるかもしれないので、この先が非常に楽しみです♪ 

 


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2009.05.19 Tuesday | 大英博物館 古代エジプト百科事典
大英博物館 古代エジプト百科事典
 イアン・ショー&ポールニコルソン著
 内田杉彦・訳
 原書房

 先日の静岡での古代トラキア黄金展を見てから、あるいは先日映画の「紀元1万年」を見たからかなのかw、再び古代エジプト熱が再燃して、いろいろ古代エジプト本を読んでます。
 手元にあるもので、一番で読み返す機会が多いその手の本といえば、「古代エジプト生活史」(エヴジェン・ストロウハル著・原書房)なんですが(これホント読みやすくて面白いですw)、数日前に上記の本を買いました。
 
 考えてみると、好きではありましたが、この手の本を買うのって久しぶりでした。
 ちなみにアマゾンです。
 うちの近場の本屋さんには…たぶんないかも。
 今のうちに買っておかないと、今度は古本屋さんめぐりをせざるをえなくなるんですよね。
 これは売れているみたいだから、しばらくは良さそうですが。

 しかし、ちょっとお値段高いですw。
 でも、値段だけのことはありました。
 非常に詳細で、ページ数も多いので、まだ興味のある項目ごとに読んでいるだけなのですが、なかなか楽しいですw。
 
 1997年に第一発行されているんですよね。
 今から約10年前の本ですか。
 早く買えばよかった。
 アイウエオ順ということで、最初はアイ(トゥトアンクアメンの次の王)から始まっていますw。
 アアホテプとかじゃないのね。
 つまり、リストは作ってあるけど、すべての人名を詳細に網羅しているということではなさそうです。

 テーベ西岸の墳墓の被葬者リストが巻末に載っているのも、人名に興味のある私としてはとても嬉しいですw。
 図もたくさんのってます。

 アマゾンのレビューにも書いてありましたが、やはりエジプト研究においては日本はまだまだなのかなあ。(ひと昔前より格段に増えましたが)
 イギリスはやはり、持っている情報量が圧倒的に違うのですね。。
 美術館もいっぱいお宝を持っているしねえ。
 なんか久々にエジプト美術を見たくなってきました。
 そーいえば、そろそろ始りますね、横浜での海でのエジプト展。さらにもう1か所どこかでやりますね。
 年月が早く立つのはいやだけど、こういう時だけは早く時間過ぎてほしいと思います。
 
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2008.12.16 Tuesday | 源氏物語
「潤一郎訳 源氏物語」 谷崎潤一郎 中央公論新社
「あさきゆめみし」 大和和記 講談社

 今年は源氏物語が生まれて1千年なのだそうで。
 かなり乗り遅れ気味ですが(もう今年も残りわずか)、テレビの特集をきっかけに読み直したくなって、11月からちょこちょこと読んでいます。
 お友達にお薦めしてもらった谷崎潤一郎さんの訳本です。
 学生の頃から源氏物語というと、私にとっては大和和記さんの「あさきゆめみし」が一番親しみがありました。
 古文は苦手でしたので勿論原文は読んだことはありません。
 少女漫画ということで、絵も華麗だったし、やはり一番とっつきやすいですね。
 
 しかし、学生時代は色々お子様でしたので、源氏物語の持つ情緒の世界というのはなかなか理解しがたいものでした。
 川原教授の「笑う大天使」の中で「歩く煩悩様」とか、「性衝動人」とか「増殖ワラジムシ」とか評されているシーンがあるけれど、私も似たような感想を持ったものでしたw。
 はっきりいって「あさきゆめみし」において、光源氏はマンセーされすぎ、美化しすぎ、と思っちゃったのですね。
 しかし、今にして思うと、それは表面的なことにとらわれてのかなと思います。 
 
 谷崎さんの本は主語がなく、ですます調で、長い文章なんだけれどもリズムが良くて、すらすら読めます。(主語がない文章が続くだけあって、途中から流し読みとかするには不向きかもしれないけれど)。
 紫式部の古文の雰囲気を味わえるような気がします。
 ウィキなどを参照すると、紫式部のオリジナル本が残ってないので、紫式部が書いた証拠がない、源氏物語の作者が紫式部とは限らないということだそうでびっくらしましたが、やっぱりこの物語を書いたのは女性だと思いたいところです。

 しかし改めて読むと、深い深い物語だったのですね。。
 宇治十帖の終わりがまたなんとも。。
 古代(一応中世初期かな?)に出来たというところが、またすごいなと思います。
 登場人物も多彩で、しっかり人間味がでてますし。
 ある意味、人間ってこんなに年月たってるのに、大して変わってないのね。。
 人々の幸せ、不幸せの形がよく描かれていると思います。
 
 以前は紫の上はとりあえず一番源氏に愛され、大事にされて幸せな人だと思い込んでましたが、本当に彼女は幸せだったんだろうかという疑問がふつふつとわいてきてしまいました。
 白馬の王子さま(うわきもんだけど)に幼い頃見出され、育てられたというけれど、それ以外の世間を知らないのよね。
 光源氏から逃れていたらどうだったんだろう。
 彼女ほどの女性ならもっと幸せになれたかも…なんて思うのです。
 
 とあるサイト様によりますと、現代語訳にも種類がある中、光源氏の視点からのものがあったり(源氏物語を下敷きにした小説だそうです)、色々な味付けのものがあるようなので、次は他の訳本を読んでみようかなと思ってます。

 ちなみに大和さんの完全版は現在在庫切れで、まだ復活してないみたいですね。
 文庫でも読めますが、どうせなら大きな絵で楽しみたいですわ。
 私は11月中、某大手本屋さんのウェブで在庫をチェックして手に入れました。
 その前後にですが講談社さんに問い合わせたら、明言できないけど来年以降、高い確率で(と言ってました)また出す予定だと言ってくれましたが。
 早く出してくれるといいですねぇ。 
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2008.10.19 Sunday | アリューシャン黙示録
「母なる大地 父なる空」/「姉なる月」/「兄なる風」 
 スー・ハリソン著 河島弘美・行方昭夫訳 晶文社

 十年以上前の本です。
 古本ではなかなか見つからず、あまり流通してないのかもしれないのですが、面白かったのでご紹介。
 「姉なる月」までは発売当初に買いましたが、その続編の「兄なる風」は最近になってようやく買いました。(まだアマゾンで売っていたということにちょっと驚きました)

 紀元前7千年、氷河時代のアラスカ、アリューシャン列島での物語です。
 人々は鳥、魚、アザラシ、セイウチ、クジラなどを捕獲し、食料や衣類になる毛皮、油などをとって暮らす生活。
 男の人は狩りにでて銛とカヤックを扱ってたくさんの獲物をとること、女の人は家事を、そして何より子ども、できれば男児を生むことを強く求められました。
 食料となる動物を得ることがなければ、即、飢え死を招くことになる厳しい世界です。

 三作でなりたっていて、第一作目は「黒曜石」と呼ばれる13歳の少女が主人公。
 マットやカーテンを編むのに使う草を探しに出かけて帰ってきたら、故郷の村が「短身族」という部族に襲われていた。慌てて身を隠し、命はとりとめたものの、家族も殺されてしまい、たった一人になってしまう。
 黒曜石は船をだし、母の故郷である鯨狩族の元へ旅に出ます。
 女ひとりでは暮らしていけないので(魚釣りなどは女性でもできますが、冬の日々の食料のたくわえとなると狩人がいないと…)、良い狩人の夫を見つけなければなりません。
 やがて「古に遡る」という、シャーマンのような、不思議な霊力のあるらしい老人の浜辺にたどり着き、共に暮らしはじめますが、やがてそこにも故郷を襲った部族の男がやってきて…。
 ヒロインの黒曜石は、穏やかですが芯の強い、とても魅力的な人です。
 
 二作目、三作目は黒曜石の浜にやってきた狩人「灰色の鳥」と「青い貝殻」の娘が主人公。
 黒曜石と同じように様々な試練に打ち勝ち、最後には幸せを勝ち取りますが、今度のその試練というのが現代で言う「毒親」で、なかなか読むのが辛かった。。
 第一作目には黒曜石の一族「第一等族」(=「アザラシ狩族」)とちょこっと「クジラ狩り族」がでてくるだけですが、今度は「セイウチ狩り族」、「川辺族」「カリブー狩り族」などなど様々な部族が出てきます。
 カリブーって何? と思い検索してみたら、ウシ科の動物でした。
 同じくわからなかったのは、オヒョウ。こちらはカレイ科の魚だそうで。。

 とにかく農耕というものがなかった地域なので、小麦もとうもろこしもないし(なにせ極寒のアラスカ)、魚介類が食生活。
 煮物を作るのにも、油を保存するのにも利用するのはアザラシ(内臓)の袋だったりで、習慣がとても興味深いですね。
 狩猟しつつも動物たちを敬い、自然に従うことを忘れない人々の、色々争いごともあるのだけど、穏やかで優しいという印象を持つ物語でした。 
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2008.10.10 Friday | 貴婦人と一角獣
「貴婦人と一角獣」トレイシー・シュヴァリエ著 木下哲夫訳 白水社

 前回「フェルメール展」を見てきたので、その連想の連想で思い出したトレイシー・シュヴァリエさんの作品。
 「真珠の耳飾の少女」、静かな情熱が感じられて、何回も読みました。
 その他の作品を探していて、読んでみようかなと手を伸ばしたのがこれでした。
 同じように歴史もので、人々の生活の空気が感じられるような緻密さとリアリティーがあって、面白い物語です。 
 
 舞台は15世紀のフランス、パリ。
 貴族ジャン・ル・ヴィストが屋敷の大広間に6枚つづりのタピスリー(仏語かな? 英語ではタペストリー)を作らせることになり、ニコラ・デジノサンという絵師がその下絵書きを依頼することから始まった、ブリュッセルの工房で出来上がるまでの、それに関わった人々のお話です。
 ル・ヴィストは当初、ナンシーの戦いをメインにしたものを思い描いていましたが、ル・ヴィスト夫人のジュヌヴィエーヌの考えで貴婦人と一角獣のものにと変わることになります。
 ニコラは貴婦人の細密画で名を鳴らした画家だったので、戦いの場面は苦手。
 この変更に喜び張り切って仕事にかかります。
 タピスリーは無事見事に完成しますが、悪行がたたって最後は彼は…。。
 ニコラはほろ苦い結末ですが、その他の人々はまあ幸せといってもいいかな、そういう結果になったので良かったです。

 貴婦人やタピスリー職人の独白で構成されていて、人が中心なので、背景となる街の情景は少なめで、ちょっと物足りないところもありますが、当時の生活がしのばれ、想像するのも楽しいですw。
 それから、タピスリーに使う糸の染色に関連して、青い糸の染色屋さんも登場しますが、当時色を染めるのにアンモニア(羊の尿)を使っていたので、町の人々からは倦厭されていたというのが印象的でもありました。。
 匂いは、うーん、でも仕事柄だから仕方ないよね。。
 
 そういえば、だいぶ時代をさかのぼりますが(笑)、ドラマROMEで主人公のヴォレヌスさんちは染物問屋の近くでしたっけ。
 あそこにも青い衣装が登場しますし、兵士がしょんべんつぼ(と言っていた)を遊びで壊すので何とかしてくれ、と苦情を訴えるシーンがありました。。
   
 話が飛びましたが、訳文も大変読みやすくて、訳されているのは木下哲夫さんと言う方なのですが、トレイシー・シュヴァリエというと、この木下さんの文章と結びつくようになってしまいました。
 このタピスリーフランスの中世美術館で展示されているようですね。
 ハードカバーだと表裏、表紙裏と模様が印刷されているので、見ながら読むことができてお得です♪
 実物もいつか見にいけたらいいですね。
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2008.03.17 Monday | パトリシア・A・マキリップ
 パトリシア・A・マキリップという人の本を集めています。
 「妖女サイベルの呼び声」という作品が、岡野玲子さんによって「コーリング」というタイトルで漫画化されたので、その原作者として日本では知られているかも。
 アメリカのファンタジー作家さんで年1冊ぐらいのペースで作品を発表していて、日本では6作ほどしか翻訳されていません。

 最初に読んだのは「影のオンブリア」(早川書房)で、繊細で絵画を見ているような作風が気に入りました。訳したのは井辻朱美さんで、後書きに井辻さんが書かれているのですが、静かで優雅な印象を与える一作で、そういう意味でなかなかこういうのはないような気もします。
 それに、どこかちょっと前の少女マンガ的雰囲気もあるような。
 で、他のも読みたくなったので探しているのですが。

 が、しかし。
 前述の「妖女サイベル…」、「影の…」と「オドの魔法学校」(だったかな)ぐらいしか新本では入手可能でなくて、過去出版された「イリスの竪琴シリーズ」(三部作)、「ムーンフラッシュ」「ムーンドリーム」は今は絶版になってしまっていて古本でしか手に入らないのです。
 古本って絶版文庫となると、お値段高いんですよね。
 きぃー、人の足元みてっ。
 てなことを言いたくなる時が多々あります(笑)。
 まあ、確かに今のところそれでしか手に入れる方法がないんだから仕方ないけど。
 あいにく私の住んでいる近辺では古本屋さんはあまりないのです(涙)。
 で、ウェブで探しました。
 とりあえず「イリスの竪琴」シリーズを手に入れました。
 見てみると、発行年は昭和57年。うーむ、古い。
 初版は昭和51年ぐらいでしょうか。
 これほど古いと、絶版になっても仕方ないかなあと出版社を許してあげる気になりました(笑)。。

 しかし、まだ中身はまだ読めてないのですけど、これ、イラスト豪華なんですよね。
 表紙イラストと挿絵も山岸冷子さんが描いてらっしゃるのです。
 絵柄からすると「妖精王」以後ぐらいかな。
 三部作の表紙イラスト、とてもバランスがとれてて、アール・ヌーボー的でとてもきれいです♪ 物語の雰囲気によくあってます。
 古さを感じないし、再版するならこのままでもと思うんだけど、オンブリアのイラストがまたきれーで、この人のなら見てみたいかも、とも思います。
 
 しかしながら、手に入れた古本。
 値段のわりには今一商品の質はよろしくありません。
 数年もしたらカバーがすりきれてしまいそう。
 うーん、やっぱり新品でほしいです。

 早川書房様。復刊してくださいな。  
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2007.11.29 Thursday | ダルタニャンの生涯
「ダルタニャンの生涯ー史実の三銃士ー」 佐藤賢一 岩波新書
 
 ダルタニャンというと、あのアレクサンデル・デュマの名作「三銃士」の主人公。
 むかーしむかしのNHKのアニメにもなりました。なぜかアラミスが男装の麗人という設定で、恋人コンスタンスは未婚のお嬢さん(原作は既婚者←まあ子供向けだったわけですから、このあたりは当然ですねw。)
 ワタクシはそれを見て簡易版(子供向け)の原作を読んだクチなのですが、それ以後熱烈に好きになるということもなく、忘却のかなたへ沈んでいったのですが、このほど同じく佐藤氏の「二人のガスコン」を読むにあたって再びダルタニャンという人に対して興味がわきました。
 (こちらはデュマの「三銃士」からしばらくたって、三十代となったダルタニャンと、シラノ・ド・ベルジュラックがでてきます。鉄仮面の謎がメインテーマでなかなか面白く説得力のある説が展開されています。)
 
 以下はネタバレを若干含んでおりますので、お嫌いな方はご注意下さい。

 
 で、このダルタニャンという人、デュマの創作人物だったのかというとそうでもなくて、実際にそういう名の人がいたんですね。時代もほぼ同じくルイ13世からルイ14世へと王位が継承された時期、同じように銃士隊に入り、やがては銃士隊長代理になったというこのダルタニャン、本名はシャルル・ドゥ・バツ・カステルモールというそうです。
 …なんか別人(笑)。
 子どもの頃はダルタニャンというのがファーストネームのように思ってましたので(苦笑)。
 で、肝心のそのダルタニャンという家名はどこからかというと、母の実家からなのでした。パリに出る際、カステルモールという名前ではとおりが悪いから、ということでダルタニャンと名乗ったのだそうです。

 冒頭からずっと、非常に読みやすい文体で、あっという間にすらすらと読んでしまいました。佐藤氏が小説家を志したのは「三銃士」が好きで、ダルタニャンが好きだから、という意味のことをどこかで聞いたことがありますが、とても丁寧に彼の足取りを追って行きます。
 当時のガスコーニュという地方の風情、王都パリで栄達するためにはまず地縁血縁を頼り…という話、何百年もの間があいているはずなのですが、当時の生活を実体験できるような錯覚に陥るほど面白い本でした。
 いつも思うことですが、この作家さんは本当にフランス史をよく調べてらっしゃるのだなあ。うん。

 しかし、あまり世間には知られてないようで、先日本屋へ知人と一緒に行った際に「マイナーな人?」と言われてしまって少しへこみました(苦笑)。地元の本屋さんでは大きなところへいったって、あまり文庫本でも見つけられないのも事実…。。
 「王妃の離婚」で直木賞を取った人なんですけどねえ。。「傭兵ピエール」だって宝塚で劇化されたそうだし(私は見てませんが)。
 なにはともあれ、お勧めな一作です。
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2007.10.21 Sunday | 影響を受けた漫画2 ■アルカサルー王城ー
「アルカサルー王城ー」全13巻 秋田書店 青池保子

 9月半ばに発売になっていたのですが、なかなか買いに行くことができず、ようやく最近になって読むことができました。
 青池先生、ありがとうございます。
 物語は濃く、怒涛の展開でした。
 ページに限りがあったので、もしもっとあれば物語をじっくり読めたのかな…と読者としては思うのですが、それにしても力がこもった感動作でした。
 歴史にはハッピーエンドってなかなかないのですね。悲しい物語には違いないですが、それでも一筋の光明があって救われました。このあたりは青池先生独特の味付けでしょうか。
 
 有名な作品なのでご存知の方も多いと思いますが、少しだけ説明をいたしますと。
 この物語は中世スペインの大部分を占めていたカスティリア王国の王、ペドロ1世のお話です。後世では残酷王とも、公平王とも呼ばれました。
 当時のスペインは貴族たちが力を持っていて、王といっても絶対的権力をもってはなく、逆らいがちな貴族たちを押さえ込むのに苦労した時代でした。→これは当時のヨーロッパ各国でも同じだったかも。
 この作品の中で、ペドロ1世はカスティリア王国、隣国のアラゴン王国を制圧し、絶対的な権威を確立することを目指した若い野心家と設定されてますが、同時に短気だけど情熱家で、快活で魅力的な人物に描かれています。フランスから迎えた王妃を気に入らないからといって早々に幽閉してしまったり、貴族の女性を一夜限りの情婦扱いしたりと、素行はひどいのですけどねw。
 (欠点も含めて全身まるごと魅力あるキャラって、この方の定評あるところですねw)

 彼は父王アルフォンソ1世とポルトガル王女マリアとの間に生まれた正当な王位継承者でしたが、父王には愛妾との間に何人かの庶子がいました。その長男エンリケは十数年にわたって王位を巡って異母弟と対立し、その戦いはペドロの終生に渡って続きます。
 まず、庶子という時点で、当時の社会常識では、神に認められた結びつきから生まれた子ではないという理由で、王位を継ぐのは認められないのですが、諦めない人だったんですね。外国から支援を受けながら傭兵隊長としてペドロと王国を攻撃したり、この物語の中でも執念深い人として描かれています。
   
 この作品、雑誌が休刊になってしまったために12巻が出た後随分長く休載していました。
 あんまり意識していなかったけれど(待ち始めた当初はじりじりしてましたが・笑)、その間13年。
 うーん、やっぱり長かったかな。
 この巻の中に先生のお言葉があるのですが、これまでの時系列にそって展開される物語とは若干違って、ダイジェストといってもいいような全200ページの全後編という形になったのは、年齢を重ねて体力や時間に限界を感じるようになったから、だそうです。
 
 作家に定年はないといわれますが
 生物としての老朽化は逃れようがありません
                   ──アルカサルー王城ー13巻 P95より
 

 ファンとしては青池先生に限って「老朽化」も何もなさそうな気がしますが(エロイカを例にとると、絵柄に一種の変化はあるけど劣化はしてないし、全体的には細かいし、物語はより面白いと思います)、こういうお言葉、他の人も読んでほしいと思ったりします。
 …いえ、誰とは言いませんが、だらだら続けていたり、無期限的に続きが出ない作家さんって、漫画にも小説にも結構いますよね(笑)。本業が何だかわかんない人もいるし。
 
 この方のほかの著作というと「エロイカより愛をこめて」が有名だと思いますが、私は「アルカサル」から入った口で、絵柄も影響を受けたように思います。
 横顔が好きだったので、一生懸命真似してましたw。
 リアルでお色気が漂ってくるようなボディラインも真似しようとしてますが、なかなかうまくいきません(泣)。
 青池先生によると、人名など色々物語の演出上変更したこともあるそうなので、実際の史実やペドロ1世についてそれ関連の歴史書を探したのですが、なかなかこれが難しくて、今まで叶わずにいます。佐藤賢一氏の「双頭の鷲」の中にも脇役で出ているようですが、これがあるサイト様の評判を読んだ限りでは、「アルカサル」中のとはまた正反対の情けないキャラクターにされているそうで、えらく落ち込んだ覚えがあります。。
 まあ、歴史小説というのはその作家さんの味付けを味わうのが楽しいものですけど。

 タイトルにもなっている、彼が建設したセビリアにあるアルカサル(城)はイスラム建築の美しいお城で、世界遺産のひとつになっているそうです。「アラビアのロレンス」とかの背景にも使われているんだとか。
 少しでしたが、BS日テレの「ヨーロッパ水紀行供で出てきた時は狂喜しました♪  またどこかの放送局でじっくりと映してくれないものかなあ。
 一番いいのは自分の足で行ってみることだけど…。
 また番外編が出るそうで、こちらを楽しみにしてます。
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2007.08.16 Thursday | 家族内トラウマ・サバイバー
「毒になる親」 スーザン・フォワード 玉置悟訳 講談社α文庫

 一時期アダルトチルドレン(AC)という言葉がはやりましたが、どれくらいの方が記憶してらっしゃるでしょうか。
 調べ物をしている時に、偶然、情報を得てようやく正しい意味を知ったのですが、なんて悲しい現実だろうと思いました。
 
 それで、名書といわれる本書を買いました。著者はアメリカのセラピストさん。
 アメリカ発の心理本は以前ちょこっと読んだことがありますが、キリスト教的精神がにじみ出る箇所が結構出てくるので、今ひとつなじめないなーということがあるのですが、こちらはそういったところがまったく感じませんでした。
 どの国も、基本的に人間って同じなんだな。と、ちょっと微笑を誘われたりもましたが、それはおいて、本書は非情に厳しい内容です。

 アダルトチルドレンというと、ほとんど大多数の方が「子どもっぽい大人」という意味に捉えてらっしゃると思います。私自身、よく知らないけど、成長しきれない大人ということなのかなあとなどと思っておりました。 実際のACの方に申し訳ないです。
 最近は、そのような誤解を避けるために、家族内トラウマ・サバイバーというようになってきたそうです。確かに、これだとぐっと意味が伝わりますね。良い呼称だと思います。

 で、ACとは、親、もしくは養育者との関係が原因で、その後人生でいろいろな種類の生き辛さを感じている(と自覚している)人のことを言います。もともとはアルコール依存症の両親の元に育った人のことの呼称だったのですが、その後、意味が拡大されて、物理的、情緒的、性的な虐待の元に育った人たちのことをいうようになりました。そのような家庭で育ち、成長した人=子どもだった人=アダルトチルドレンです。

 物理的なものも、そして性的なものなどまったくもっての外!なのですが、情緒的虐待。
 こちらも大変な問題だなと思いました。
 虐待というと、食事を与えられなかったり、車の中に放置されたり、暴力を振るわれたり、ということが真っ先に頭に浮かびますが、実のところ、情緒的虐待というのが一番傍目にわかりにくくて厄介で、案外どこの家庭でも転がっているような気がします。
 言葉の暴力や、他のきょうだいとの比較、過剰なコントロール、距離感のなさ…プライヴァシーへの侵入なども問題となります。親自身は「子どものためをこそ思えばやっているんだ」というし、またそのつもりで悪意なしにやっていることのが、また始末が悪い。

 検索するとすぐに詳細でわかりやすくて、優れたサイト様方がヒットしますし(あえてリンクは控えさせていただきます)、本も数多く出ているので、ぜひ一度見ていただきたいなあと思いますが、そういう立場であり、心理状態であるので、病気ということではないようですね。
 しかし、色々読んでいると、一歩間違うとほとんどの家庭がこれにあてはまってしまうのではないかと思うほど広く、一般的な問題を含んでいるように感じました。
 「昔からあるようなことじゃないか」とか、「甘えだ」とか、「成人しているくせに、いつまでも親のせいにするんじゃない」という反論が出てくるだろうことも理解できますが、さて、本当にそうなのでしょうか。いくら親でもやっていけないことがあるでしょう、言いたい。
  実の親だから許しなさい、ということもよく聞くけれど、実の親だからこそ許せないこともあるんですよね。

 子どもにとって、その家庭だけが生きていける頼りです。生きていくために、親の言うようにするしかないのです。
 親の人格と子どもの人格は別のもの。同じ血を引くからといって、同じ感性、考えを持たなければならないということなどありません。
 そして、子どもにとって親は必要不可欠だけど、親のために子どもの存在があるのでもありません。

 日本では独特の母親と娘の関係があるように思います。一卵性母娘とか、友達親子だとか、そのような言葉も雑誌とかに載りましたね。
 仲がいいのは結構ですが、しかし、基本的に親は親であって、娘の友達にはなれない、なってはいけないと思います。基本的に子は子でしかない。親を支えきることなどできないからです。親を支えるのはその配偶者の役目です。
 
 子どもは基本的に親を愛するようにできています。
 でも親は必ず子を愛すとは限らない。
 悲しいですが、それが現実なんですね。
 親が自分を愛していないと薄々知りつつ、子としてはそうではないと自分にいいきかせ、自分が悪いからだと思い込みます。
 親を批判し、嫌うことは子にとってタブーだから。

 …色々体験談を読んだり、自分自身の体験を振り返ると、親子関係が人の社会生活の基本なのだなあとつくづく思います。
 私のブログの読者さんは数少ないと思いますが、もしご両親となんらかの違和感を感じつつ、生きにくさを感じていらっしゃる方がいたら、ACであることを疑ってみて下さいと申し上げたい。
 自覚が必要不可欠で、長い時間はかかりますが、必ずなおります。
 皆様に幸せが訪れますように。。
 
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